印章の材質

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材 質 名 材質画像  特 徴
つ げ
ツゲ科の常緑低木で暖地に自生しています。木材の中では比較的硬質で、きわめて密度が高く印章の彫刻には適しています。 ただし、木材のため耐久性に欠け、使用頻度が高い場合は早く摩耗してしまいます。

● ワンポイント豆知識 ●
現在、印章に使用される柘は「タイ」やその周辺の地域に育生している物が輸入されています(シャム柘)。 日本では伊豆七島が産地として有名です。柘は印章のほかに櫛(くし)や将棋の駒等に使われます。

さいか
彩樺
バーチ材(木材)と合成樹脂の人工結合素材です。材質は木目調茶褐色。 樹脂が含まれているので温度・湿度に左右されないため、変形や狂いが少ないく耐久性に優れています。

● ワンポイント豆知識 ●
最近では環境問題が注目されて資源の有効活用が叫ばれていますが、彩樺は地球環境にもやさしく、官公庁や環境関連企業団体に推奨されています。

くろすいぎゅう
黒水牛
アジア地域(インド・タイ)に生息する水牛の角です。材質は黒色。比較的硬質で粘度があります。 ただし、乾燥に弱いので長期保存する場合は彫刻面に少量の油を塗るとひび割れしにくくなります。

● ワンポイント豆知識 ●
通常、黒水牛と呼ばれる材料は黒色ですが、中には「黒色」に「こげ茶色」が混じった模様をしている物ものもあります。 これらは見た目がよくないので漆黒に染めたものがありますが、これらも「黒水牛」と呼ばれています。 染めたものの方がランクが下がります。実印や大切な印章を作る場合は「黒水牛の染めナシ印材」をお勧めします。 ちなみにわかりづらいとは思いますが、この画像は「黒水牛の染めナシ印材」です。

うしのつの
牛角
(旧:オランダ水牛)
アフリカ・南米などに生息する牛の角です。材質は白色飴色(斑(ぶち)が入っている物もある)。 水牛や牛の角の中では比較的硬質で高密度です。

● ワンポイント豆知識 ●
「斑が入っていている物もある」と明記しましたが、牛角(うしのつの)にもランクがあります。 「色」と「白」があり「白」の方がランクが上です。実印や大切な印章を作る場合は「純白の印材」をお勧めします。 ちなみに、この画像は「牛角(白)」です。 「色」と「白」の違いがご覧になりたい方は、こちらをクリックしてください。

トランスラーム ゼラチンと合成樹脂の人工結合素材です。材質は乳白色。 象牙取引がワシントン条約で禁止になり「象牙」に変わる新素材として長年研究開発されたものです。 象牙の質感・重量感に相似するよう研究されたため、象牙と同様に耐久性・耐湿性に優れています。

● ワンポイント豆知識 ●
「トランスラームはゼラチンと合成樹脂の人工結合素材です」と書きましたが、 これと同じような以前から慣れ親しんでいる印章があります。それは、既製認印の「ラクト印」 (はんこ屋さんや文具店の入口にある種類のたくさんある印章)です。 実はこの「ラクト印」。牛乳のしぼりかすと合成樹脂の人工結合素材だったのです。 「ラクト」という言葉に連想されるもの「ラクト牛乳」や「ラクトアイス」などがあります。

ぞ う げ
象牙
象の上顎の門歯に当たる牙(きば)です。材質は白色。非常に硬質で耐久性があり、印材の中でも最良最高級の素材です。 近年は乱獲でワシントン条約により国際取引が禁止され、希少価値が高まっています。

● ワンポイント豆知識 ●
1999年7月から試験輸入分の取引が解禁になりました。
しかし、2000年4月に行われた、ワシントン条約締結会議では今回の輸入分は認められませんでしたので、 次回のワシントン条約締結会議まで輸入禁止になりました。ただし、前回の試験輸入分の材料に関しては、通商産業省に事業者登録された販売店等からは購入できます。
最近、激安印章店で安価な象牙を見かけるようになりました。ほとんどの場合、一番最低のランクで作られています。 象牙にも細かいランクがありますので、実印や大切な印章を作る場合は後悔しないよう、どの材料で作られているのか確認してから購入されることをお勧めします。
象牙のランクをご覧になりたい方は、こちらをクリックしてください。

チ タ ン チタニウムとステンレスの合金素材です。材質は銀鼠(ぎんねず)色。金属製のため捺印は半永久的に摩耗せず使用できます。 また、薬品に対する耐腐食性・落下等の耐衝撃性にも非常に優れています。

● ワンポイント豆知識 ●
「チタン」は次世代の金属として注目されてきました。しかし、100%「チタニウム」のみの素材だとコストが高いので、「ステンレス」との合金素材にすることによりコストを下げられました。 最近、チタン印章の低価格化が進んでおりますが、安い物はチタンの含有量が少ない素材を使用している場合があります。 ひどい場合は「チタン」と表示しつつ、チタンを含まない合金素材という場合もあります。やはり低価格とはいえ「チタン」は高い買物です。 実印や大切な印章を作る場合は、信用のある販売店で「チタン」購入されることをお勧め致します。




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